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(今年の21作目)『野性の呼び声』…3.5
これ、原作は冒険小説の古典ですな。
私は、甘ったれた人物に苛立ちを覚える男なので、それが女の子ならば良いが、幼児であっても男には厳しい。
主人公の犬が、金持ちの家のペットとして傍若無人に振る舞う様にイライラさせられるのだが、犬泥棒にさらわれ、ゴールドラッシュに湧くアラスカでソリ犬となり、犬たちとの友情を形づくり、信頼できる主人と出会い、最終的には野性に還り、狼の群れのリーダーになるまでが描かれる。
人は変われるのだな、と考えさせられる(犬だけど)。
(22)『ミッドサマー』…3.5
強烈な作品。
凄い作品だとは思うが、あたいはカルト臭を嫌うので、なんかやだ。
事件で家族を失った主人公が、彼氏や同級生らと、白夜のスウェーデンの片田舎の村で行われる90年に一度の祝祭に参加する。
一見、自然豊か人和やかな雰囲気の村なのだが、徐々に異常な因習が見え隠れしていく。
白昼堂々のホラー作品。
不幸な状況にあった主人公の女の子。
人は変わってしまうのだな、と考えさせられる。
この作品、スウェーデンにとっては国辱もんだなと思うのだが、まあ、日本の田舎も勝手なカルトめかして描かれることもよくあるからいいのかな(^.^)
(23)『Fukushima50』…4.0
良く出来た作品だ。
佐藤浩市と渡辺謙のダブルメインがリアルを宿していて良かった。
渡辺謙が演じた福島第1原発所長が感情を隠さないとこが特に良かった。
原発事故の経緯は、菅直人総理の人災の側面があるが、最終的に、この人も自分の命を賭していたのが感じられ、そのセリフは事実か分からないが、物語的には許せる。
現場にテレビ電話で無理難題を吹っかける本社の幹部も、最後には汗でドロドロになっていた。
二号機がメルトダウンしなかった理由は、未だに不明だそうだ。
「人事を尽くして天命を待つ」、その結果としか思えない。
(24)『キャッツ』…3.5
舞台版を観てない私は、初め、話の方向性が分からずにかなり戸惑った。
吹き替え版で観たのだが、ミュージカル故にセリフは歌われているので、言葉が十全に理解できなかったのだ。
どうやら、町の片隅に捨てられた小ネコが行き着いた世界は、ナンバーワン猫を決めるセレクションの真っ只中だった。
そこには、汚い手を使ってもナンバーワンになりたい悪猫や、今は落ちぶれて仲間に相手にされない元スターの汚れ猫がいた。
猫たちは悪猫を駆逐し、野良として落ちぶれていた元スター猫が、「話のオチをつけるための如く」復権し、ナンバーワン猫になる。
「♪メモリー」が流れると、うむを言わさずに感動させられる。
しかし、ナイスプロポーションの女優のキャッツ扮装は、なかなかエロいもので^_^;
(25)『スキャンダル』…3.5
アメリカのメディア界を揺るがしたセクハラ裁判の実話。
古き常識にとらわれていた男社会のFOXニュース社。
女が会社内で向上したく思うと、男の上司に「忠誠心」として身体を要求されるのが常となっていた。
蜷川実花が見たら日本を舞台にリメイクしたくなるだろうなと思わせられる、女たちの、それでも美しい活躍が見られる。
女たちのほとんどが、昇進と身体をバーターされることに苦渋を感じていることが意外だった。
一人くらい、身体を武器にしてのし上がることに、なんら躊躇ない女がいてもおかしくないのに。
(今年の26作目)『スケアリーストーリーズ 怖い本』…3.0
ギレルモ・デル・トロ監督がプロデュースと言うので期待していたのだけど、原作が児童書なので、なんだかソフトな作りのホラー作品だった。
モンスター造形など、視覚デザインで良かった点はあるかな。
物語の背景にベトナム戦争があり、その時代の舞台設定で、スティーブン・キング的なノスタルジーを出したかったかも知れないが、残念ながら、その効果はなかった。
(2020/03/14)