☆・・・とっつきにくい話かもしれないが、何人かのお客さんに話して聞かせたら、興味を持って聞いてくれたので、なるべく、分かりやすく短く書いてみる。
自衛隊の2佐さんは、来店すると、いつも、何かしらのトピックを聞かせてくれる。
今度 日曜日のTBS系午後9時に松本穂香・松坂桃李主演でドラマにもなる(一度、スペシャルドラマにもなっている)、アニメ映画『この世界の片隅に』の話だ。
戦時中の広島は呉を舞台にしていて、軍港でもあるそこには米軍の爆撃機が定期的に空襲にやってくる。
その爆撃機に、地上の高射砲(高角砲)部隊が応射する。
時限式の砲弾は、高空で爆発する。
そもそも、空中を飛んでいる爆撃機に一発で当てるなど至難の業。
破片がぶつかってくれればめっけもんの世界だ。
アニメ映画『この世界の片隅に』では、爆撃機の周囲で弾丸が爆発するさまが、色とりどりの色彩で描かれていて、絵心のある主人公・すずの心を惹く。
このシーンの色とりどりの色彩だが、アニメ的に、すずの心象を描いたもののようにも思える。
だが、実際に、当時の砲弾には、6色の着色弾が用意されていた。
何故か?
複数の高射砲の応射の中で、どの砲弾の「結果」かを識別するためである。
話を戻すが、さて、米軍の爆撃機に向け初弾を撃つ。
すると、まあ、爆撃機から離れた場所で弾丸は破裂する。
そこから、地上の高射砲部隊の担当官の凄まじい計算がはじまる。
ノートパソコンなんてない時代である。
軍事を語るにあたっての、私の語彙の少なさは勘弁してくれ・・・。
高射算定具や、机上の三角物差しなんかを駆使して、命がけのセッションが行われる。
爆発した箇所から、爆撃機の位置を測定、そこに至る、もしくはそこから離れる時間を測り、爆撃機のスピードを計測、「次弾をどこ(爆撃機の予想進路)に向けて撃てば、命中させることが出来るか?」を割り出すのだ。
相対性理論みたいな状況だ^^;
その結果が、爆撃機に肉薄する砲弾の、色とりどりの爆発なのである・・・。
米軍の観測官は「日本軍の砲弾はレインボウカラーだ・・・」の言葉を残している。
・・・と、自衛隊2佐の方は、たまに来店し、こうした興味深い話を残していってくれる・・・。
(2018/06/05)