☆・・・私にとって、この監督は特別な存在ではなかった。
カンヌも、たびたび、首を傾げざるを得ない作品にパルムドールを与えている。
ああ、しかし、この『万引き家族』は良かった。
なにが良いのか?
この、6人の家族の、総体であったり、個々であったりの問題が、大賞に相応しき、まさに世界全体の多種多様な問題を総括しているからだ。
メインの家族6人の演技も、多用される表情アップのやや長回しの中で複雑な感情を余すことなく伝えてくれる。
ただ、樹木希林だけは、もはや演技じゃないな。
ありゃ、素だ! 素が物語を従属させている^_^;
私は「北の国から」を何故か思いだし、昭和の残滓も感じ、フランス映画の情感を重ねるのだった。
(2018/06/03)