☆・・・あんまし気が進まなかったが、これまでのシリーズを見てきたこともあり、遅ればせながら観てきましたよ。
うーむ、私的にはいまいちだった。
やっていることは同じなんだけど、「同じことやってるから面白いだろ?」ってのは、北野武監督の勘違いで、作劇手法として守っていくべきものはあれども、ヴァージョンアップしなくちゃならないことは必ずあり、そのヴァージョンアップ(予算の使い方)が硬質な舞台設定のみに活かされ、寒々とした印象でしかなかった。
「全員悪党」は前2作でわかっているので、それを超越した「悪的な善」でも見せて欲しかった。
これだけの人物たちが入れ代わり立ち代わり、策謀や裏切りを見せてくれるわけだが、礼儀としての「義理」や「人情」「仁義」も描かれていないので、その効果は希薄だ・・・。
北野作品は、心の寒々しさが情景となって表わされることがあり、それが魅力でもあったが、作品としての堅さ・空虚さが目立つ結果となった。
また、守るべき北野作品の持ち味である「すっとぼけた間(ま)」が全く消え去っていた。
これは致命的に痛い。
(2017/11/01)