☆・・・悪くないけど、同じ主演が福山雅治っちゅうこともあるのだが、テーマが「容疑者Xの献身」と似ていた。
似ているとなると、どうしても、「容疑者…」のほうの、見知ったガリレオの活躍、東野圭吾原作のトリッキーさと泣かせようとするあざとさ、福山の作った柴崎こうの感動的な歌、に軍配をあげたい。
どうしても、後発のこの作品には刺激が少なかったかな。
それを格調高いとするには、物語の論点が絞れていないというか。
思い切って、「三番目の殺人」、国が犯すことになるというのを前面に押し出せばよかったのに。
また、あざとい東野作品でもしていなかった「未成年レイプネタ」をこちらは作品に組み込んでいた。
「未成年レイプネタ」を物語に組み込むのって、作品作りに際し、非常に安易だと私は考えている。
無条件で、被害者への同情を促すからだ。
犯人役の役所広司だが、白々しい演技がうまく、それが崩れそうになった時、抑えながらも必死になっていくさまが良かった。
弁護士役の福山が、クールな功利主義者のようでいて、事件にのめり込み、事実よりも被弁護者の思い描く終着点に向かうことになるのは、本来の弁護人のあるべき姿ではある。
いや、「三番目の殺人」を犯すのは、この弁護士なのである、被弁護者の意を汲んで・・・。
(2017/09/23)