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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[映画『散歩する侵略者』を観た]

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映画『散歩する侵略者』予告編 【HD】2017年9月9日(土)公開

☆・・・手触りが映画っぽくないなぁ、と思っていたら、もともとは舞台劇だったそうだ。
 舞台の脚本と言うのは、言葉重視で、なんか手作りの丁寧な作りにある。
 その丁寧さは、テーマに向かってであり、時に世界観の細部に粗があり、映像化するとそこからおかしくなる時がある。
 が、この作品では、その曖昧さがファンタジーになっていたかな。
 私は、どうにも主演の松田龍平の目つきが苦手なのだが(とぼけた味わいとはみなせない^^;)、この方、もう地位を築いていて、芸能界のそこかしこで目につくので避けては通れない^^
 観に行った。
 ・・・と、かなり良かった。
 精神体のような異星人に地球は侵略されていた。
 三人の使者が、三人の身体に乗り移り、地球の動向を探っていた。
 かなり人類の価値観と異なる異星人で、「情」が欠落していると言おうか、周囲の人間は、すぐにその奇矯さに気づく。
 その描写はユーモラスで、ブラックコメディしてる^^
 三人の異星人が、斥候となり地球人を知ろうとするってのは、手塚治虫の『W3』みたいだ。
 が、三人は甘くない、侵略が前提だからだ。
 一人はすぐに暴れまわり、その女子高生の外見が、「ヒットガール」的に時代に乗っていよう。
 もう一人は冷静に、言動に余裕がありのイケメン若者、人間に順応していると思っている様子が、人間界に潜む「寄生獣」のよう・・・、侵略計画を淡々と進める。
 最後の一人が、松田龍平で、なんかおかしくなったことを訝る奥さん(長澤まさみ)と暮らしつつ、地球の概念を得るべく、周囲を散歩しまくる。
 「概念を得る」とは、地球の「人となり」を知るために、相手の頭に浮かんだ考えを盗むのだ。
 そもそもが精神体のような異星人は、人間の思惟を「盗む」ことが出来るのだ。
 盗まれた者は、それこそ、手塚治虫や藤子不二雄の作品でよく表現される「パ~」の状態になる。
 例えば、「仕事」という概念を盗まれると子供のようになり、「兄弟」と言う概念が盗まれると兄弟姉妹に気遣いがなくなり、「厄介者」という概念が盗まれると、呆けたようになり「みんな仲良しだよね」と呟く、また、これは割といいパターンだが「所有」の概念が盗まれると周囲のものに献身を訴えるボランティアみたいになる。
 そうして、侵略者は、地球の思考様式を学びつつ、侵略を進めていく。
 異星人が地球を知るためのガイドに選んだ者が、奥さんと、ジャーナリスト(長谷川博己)で、彼は、いかにも舞台での役柄のように作品内を立ち回る!
 しかし、いつも気になるのだが、長谷川博己の演技は20%くらいいつも変だ、宇宙人の役でもないのに・・・^^;

 ・・・と、物語の途中で、私などはオチが見えてくるのだが、そのオチは、愛のあるオチなので、悪くない。
 正義は素晴らしい! 愛は素晴らしい! という直球のオチは、おいら、大好きさ!
 そして、愛の喪失は哀しい・・・。

                       (2017/09/12)


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