とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話 クリエーター情報なし 飛鳥新社
☆・・・帰宅時に本屋に寄って、マンガはビニールパックされているのがほとんどなのに、この本の梱包は外れていて、パラパラと見ることが出来た。
ふぅん、面白そうだなと思いつつも、手に取った本を棚に戻した。
店を回ってめぼしい本を物色していたのだが、どうしても、この本のことが気になり、買ってみた。
で、帰宅して一気に読んだ。
一新人漫画家の出会った、アスペルガー的ないい加減さを持つ編集者から受けた過酷な状況の物語であった。
ここで私は、アスペルガー、あるいはADHD(注意欠如多動性障害)と言うものを悪く言ってるのではない、アスペルガー的な人物がTPOを違えると、他者に大きな害悪を及ぼすとは言っている。
私は、その内容に、私が大学の卒論の題材にした『死の棘』や、おかしくなる前の小林よしのりの『脱正義論』を思い出した。
エッセイと言うには重いドキュメントマンガだ。
異常者の隅々までを描写した名作である。
漫画家を主人公にしているが、これは、ある一定の社会の中に位置する者が、社会に存在する一定数の異常者と出会うという普遍的なテーマでもある。
私もたいがい、普通の人間とは思っていないが、それでもいいのである。
だが、普通でなくて、更に、他者に害悪を及ぼす人物と言うのはタチが悪い。
周囲に糞尿を撒き散らして、それを咎められると「名誉棄損だ!」とか狂う人間は往々にしている。
私は残酷なので、人生上で出会ったそういう人間は完膚なきままに叩き潰すことにしている。
そんな私を、強面の弟はいつも、「叩き潰すにしても一か所は逃げ道を残してやるべきだ」と諫めるのだった・・・。
この作品の作者は優しい。
優しいからこそ、この作品は共感を得られよう。
(2017/07/05)