☆・・・この監督が良作を連発しているのは知っているが、やや、舞台となるファンタジーとリアルな青春時代を描くには、予告を見た限りではこなれていないように感じていた。
でも、主人公の女の子の声を演じる高畑充希の厚みのある声は気になっていた。
で、その高畑充希の歌う主題歌「デイ・ドリーム・ビリーバー(タイマーズのバージョン)」をラジオで何度か流されるのを聞いて、不意に見たくなり映画館に向かった。
主人公の見るファンタジックな夢が、いつしか現実とリンクするという話だが、序盤、わたし的にはどうしても折り合いがつくとは思えず、なんか、物語の流れ的に調和が取れていない印象。
しかし、話自体は面白く、この先どうなるのかと言う期待は高まっていき、いつしか、夢中にさせられていた。
現実とファンタジーがない交ぜになり、現実のことがファンタジーの比喩で語られる。
普通ならば、ファンタジーではこう語られているけれど、現実ではこう処理されていました! という「種明かし」みたいな説明があるが、この作品でなく、観ている者の心の中での補完を促される。
バカが見たら、てんで訳のわからない作品となっただろう^^;
終盤、私はホロリとしてしまった。
ファンタジーパートではなく、幾つものシナプス的な結合を経た人間関係のつながりに泣けた。
おじいさんと主人公の絡みなんて、これ、「ペリーヌ物語」じゃん!!^^
エンドロールでは、「デイ・ドリーム・ビリーバー」が流れ、「♪もう今は彼女どこにもいない」と歌われるが、主人公は健在である。
が、主人公の母親と父親の馴れ初めが描かれ、愛の育みと結果も描かれる。
確かに、もう今は彼女(母親)どこにもいない・・・。
ここでも泣けた・・・。
そして、忌野清志郎が自分で作った詩をのせた「デイ・ドリーム・ビリーバー」の誕生秘話を知るにつけ、またも、ホロリとさせられるのだった・・・。
(2017/03/30)