Quantcast
Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3482

[映画『1911』を観た(短信)]

$
0
0
☆辛亥革命を『レッドクリフ』のノリで描いた作品である。

 ・・・と、言いたいが、『レッドクリフ』には遠く及ばず、けれど、妥協なく作られていたので、部分的に光る箇所もあったかな。

 ただ、刀剣から銃火器へ、覇道から政治思想へと映画的な装いが変わり、趣きがなくなり、やや深刻の度合いを増し、どうしてもエンターテイメント性に欠けた。

 私は、ジャッキー・チェンが、苦しくも孫文を演じるのかと思いきや^^; 革命の戦闘指揮官であり、明らかに物語の展開から忘れ去られている時もあり、意外であった。

 主役たちの一人でしかなかったようだ。

 ある意味、好き勝手に作れた三国志の時代と違い、ある一定の史実に沿わなくてはならない近代の事件であるが故に、どうしても、物語のクライマックスに、ドラマチックな戦闘を配せずに、無理矢理にジャッキーアクションが押し込められていたのが、そのアクション自体は面白かったが、スケールの尻すぼみ感は否めない。

 だが! 中盤から登場した袁世凱(スン・チュン)が、かなり魅力的なダーティーヒーローで、私は満足した。

 実は、私は、ノモンハン事件について、ずーっと調べて書いているのだが、ノモンハンで戦った関東軍の誕生から紐解いていく時、どうしても、中国の近代史を追っていかなくてはならなかった。

 しかし、これが、人物相関図的にも地理的にも、凄まじく複雑で、私は、とてもとても仕事をしながら調べていくのは難しいと実感した。

 その中で、年表を見ていくだけでも、出張ったり失脚したり、袁世凱が凄まじく顔を出すんですよ。

 で、私は、独学で、袁世凱の、「乱世の奸雄」的な人物像を想像していたら、

 案の定、そういう人物だったのですね^^

     

 この作品の面白さは、全て、袁世凱を演じたスン・チュンの喜怒哀楽…、傲慢・脅し・怯え・おどけ・食事シーンにあったと言っても過言じゃない。

 PS.物語の中で、ドラマ『わたしたちの教科書』のサウンドトラックが使われていたのは何故なんだろう?

                                                       (2011/12/05)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3482

Trending Articles