☆・・・これは見なくてはなるまい、と新宿の映画館に向かいました。
・・・物語はネットの紹介によると以下。
≪1944年10月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。ハンガリー系のユダヤ人、サウル(ルーリグ・ゲーザ)は、同胞であるユダヤ人の屍体処理に従事する特殊部隊・ゾンダーコマンドとして働いている。ある日、サウルはガス室で生き残った息子とおぼしき少年を発見。その少年はすぐさま殺されてしまうが、サウルはラビ(=ユダヤ教の聖職者)を捜し出し、ユダヤ教の教義に則って手厚く埋葬してやろうと収容所内を奔走する……。≫
大量虐殺の現場、折り重なる死体の連続・・・、かなり凄まじいシーンの数々があり、これは、後々、自分の生活に支障が出るのではないかと、はじめのうちはそう思ったのだが、どうやら私に限っては平気そうだった。
何故か?
序盤から主人公が「絶望」のうちにいたからだ。
人は「落差」というものに心を揺り動かされる。
異常が常態においては、何ら衝撃は起こらない。
が! 終局において、私を含めた鑑賞者は、更なる「落差」を知る。
既に、主人公が、端(はな)っから、「絶望」を通り越した「狂気」の中にいたことを知るからだ。
(2016/02/09)