☆・・・予告編からして、恐さが尋常じゃなく思えた。
その恐怖は、驚かしの他に、心に染みる…ジワジワとくるロジック重視が感じられた。
私はホラー映画が苦手である。
でも、この作品が気になった。
一人で見るのは怖いので、甥っ子を誘う。
すると、何故か、弟も行くという。
珍しいことだ。
だが、弟は、怪異譚『耳袋』や水木しげるの妖怪物が大好きなので、この作品の醸す「恐怖」ならぬ「怪異に対しての不安定な心持ち」にはまりそうな気がした。
そして見た結果、私・弟・甥、三人ともが傑作認定した。
面白く怖かった!
些細な怪異が、何重と何十と積み重ねられ、一つの元凶へ収斂される。
世界は広がり、歴史は深められる。
非科学的な霊的な祟りが、ホラーでなくミステリーとして描かれる。
ホラー門外漢と思われる中村義洋監督だが、その演出・カメラワークは、こちらの感覚に訴える。
こんなにも非凡な監督だったんだなぁ。
(2016/01/31)