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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[映画『サイボーグ009vsデビルマン」を観た^^]

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☆・・・これは面白かった!
 タイトルの「お祭り感覚」とは違い、その出来が非常に良いことは聞いていたが、ホント、「ちゃんと分っている作り手」による、全く世界を異にする物語を見事に融合させていた。
 また、こういう作品は得てして、「アベンジャーズ」的に、それぞれの作品の掘り下げが蔑ろにされるきらいがあるが、この作品は違う。
 二つの作品の区切れに、うまく物語を配置しており、原作の物語の前後の展開との絡みを密にしていた。
 二つの作品の登場バランスも絶妙だった。
 先ず、「009」サイドでは、原作にもあるミュートスサイボーグ(ギリシャ神話の神を模したサイボーグ)との激闘の終焉が描かれる。
 太陽の化身とも言うべき無敵のアポロンに、プロトタイプサイボーグの009らは為す術がない。
「お前らの力はそれだけか?」とのアポロンの問いに、009は「後は・・・、後は勇気だッ!!」と有名なセリフも再現してくれている^^
   

 その闘いが終わり、009らは、この物語オリジナルの敵となる悪魔族、最新型サイボーグ(セト、カイン、アベルら)と更なる闘いに突入していく。
 並行して、「デビルマン」サイドの物語も語られる。
 アポロンの太陽の明るさとは別に、デビルマンの闘いは暗黒の中でだ。
 相手は、喰らった人間たちを、その亀のような姿の甲羅に浮かび上がらせるジンメン。
 甲羅の人面には意識があり、苦痛と絶望に恐怖している。
 デビルマンは攻撃したいが、背中の生きている人面を傷つけてしまうので、ジンメンと闘えずやられるまま。
 デビルマンの闘いとはそういうものだ。
 だが、甲羅の中の喰われた幼女サッちゃんが涙ながらに言うのだ。
「私たちはもう死んでいる。だから、早く、殺して!」
 かくして、デビルマン、サッちゃんの顔を貫き、ジンメンを屠るのだった。
 いや、実はその後も、亀の甲羅を剥がしてとどめを刺すというグロ描写があり、私は、「おお、原作のテイストを崩していないぜ!」と感心するのだ。
 その後、デビルマンは、この物語オリジナル展開の、悪魔族リリスやパズス、名前を忘れたけど最強の、悪魔とサイボーグの融合体との激闘に突入していく。
 ・・・もちろん、タイトル通り、当初はお互いに相手を敵の亜種と思い、009vsデビルマンが為され、ちゃんと、ゴジラ対キングコングよろしく、痛み分けである^^;
 が、ちゃんと、意思の疎通が為され、傷ついたデビルマン・明を保護した飛鳥了は、「どうやら、あいつらも、ブラックゴースト団とやらからの『裏切者」らしいぞ」とか言い、すぐに身体を再生させた明が「俺は、悪魔族からの裏切者のつもりはねーけどな。あいつらが勝手に思ってるだけだ」と答える。
 飛鳥了だが、最終的には「デビルマン」世界における最重要人物なのだが、その描写、特にうつろな目つきなど、実にいい。
 また、特徴的な「鉤もみあげ」も妙に格好いい^^
 ・・・傷ついた009の身体を修理したギルモア博士は、その身体に付着していたデビルマンの皮膚片を調べ、「うおっ、異生物の皮膚が人間のものに変化しおったぞ!」と驚くのだ。
 こういう、定番のバトルを描写しつつも、その後に、お互いの認知、また、両作品の深みを増す物語に、私は感動するのだ。
 そして、明は、自分の愛する守るべき存在・牧村美樹との学生生活も続けているのだが、男勝りの美樹に絡むチンピラや、また、謎の悪魔族から転校生をかばって「拙者が闘う!」などと美樹が時代がかった物言いをするとこなど、実に永井豪チックで良し。
   

 009らも基地に戻り、世界を脅かす敵の調査に余念がない。
 そして、その調査の中で、新たな敵ハイティーン・サイボーグたちと対峙する。
 現われた敵は、「014」「016」「017」・・・。
「フィフティーン(015)が抜けているようだが?」とハインリッヒ(004)が言う。
 かような伏線はうまく、まあ、誰でもすぐにピンと来るだろうからネタバレすると、美樹の学校に転入してきた石ノ森章太郎的な美少女(石ノ森の憧れの実のお姉さんタイプ。お目目がウルウル^^;)が、その正体(015)であった!
 今回、ブラックゴーストの一博士と悪魔族の一部が、裏でつながっており、共闘していたのだ。
 かくして、009たち、明と了らは、それぞれ独自の調査で、敵の居場所を突き止め、最終決戦の地「樹海」へと向かうのだった。
 ここでは、00メンバーたちが、ちゃんとそれぞれの能力で見せ場がある。
 地味な能力の003も、メンバーの司令塔として活躍する。
 2012年に公開した『009 RE:CYBORG』で、全く活躍しなかったピュンマ(008)もちゃんと水竜巻を起こしますよ^^
 それと、002が加速装置を使うシーンがあるが、それは、あまりにも通(つう)過ぎてやり過ぎだよ^^;
 ・・・サイボーグ戦士たちは、常に、サイボーグにされてしまった自分の身を呪っている。
「俺たちは、人じゃなくなってしまった・・・」
 だが、デビルマンは言うのだ。
「俺は人間だぜ。守りたいもの(美樹)があるので、この身体になったんだ!」
 後に、009は明に言うのだ。
「君に、新しい考えを教わった・・・」

                       (2015/10/24)


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