☆・・・前篇の終わりの「後篇予告」が、かなり期待を抱かせたので、一刻も早く観たいと、公開と同時に映画館に赴きました。
私としては、もっともっとトリッキーな展開を予想していたのですが、激情物へと変貌したので、意外でした、が、悪くなかったと思う。
中学校が舞台だったので、物理的な殺人の流れよりも、成長期における「精神的な殺人」の罪悪感による、大人へと至る苦悩としたほうが、現実感があったのは確か。
この作品は、「良心の呵責」がテーマでもあり、それは、中学生や高校生にこそ観てなにがしかを学んで欲しかったのだが、その年代のお客さんは少なかったなぁ^^;
やっぱ、AKBやジャニーズ辺りをメインキャストに据えていたら、多くの若い人に見てもらって、その若い子らに、お目当てとは別の想いを抱かせられたと思うのだが・・・。...
ああ、でも、なんかキモい樹里役の子はE-girlsのメンバーなんだね。
キモメイクなんだね^^;
私は基本、映画作品に対し、あんまし批判的には見ない。
この作品に対しても、肯定的だ。
でも、後、何箇所かをちゃんと作っていたら、もっと完成度が高くなったと思う。
1.校舎内で起こった学生転落死事故。警察では自殺と断定されるが、学校の不良に突き落とされたと言う怪文書が流れる。その怪文書の信ぴょう性が、いまいち、観ているこちらに伝わってこないのに、その怪文書の内容が、作中の人物たちによって一定の確信を勝ち得て、学校裁判が開かれるまでになっているのがおかしい。しかも、いかにも真実味の乏しい怪文書を出した二人の様子は物語の序盤から描写されている^^;
2.学内の不良によって、二人の女学生がボコられるが、その描写が、あまりにも激しくて長くて、ちょっと非現実的。でも、まあ、これがないと、そもそも、物語が存在し得ない。
3.宮部みゆきは、男の、女に対しての(性的なもの含む)暴力の描写には執拗な面があるが(『クロスファイア』などに顕著)、2のイジメと言い、また、主人公が、参考人の出廷に際し、「なんでもしてでも出廷してもらう」と言う、暗に、性的な覚悟さえも決めてのセリフなどは、突飛だと思う。
4.この作品の肝は「中学生による学校内裁判」である。あくまでも、「裁判」の形式にのっとり、結論に至らなければならなかった。しかし、実際は、被告の弁護人による「被告の糾弾」、裁判官の主張を無視した弁護人による裁判の継続と言う、二つのイレギュラー行為が行われた。そここそが、この作品の感動場面なのだが、私はいささか解せないのだった。
この作品は惜しい出来だった。
幾つかの問題点を直せば、傑作になり得たと思う。
最後の「(裁判後) そして、私たちは友達になりました^^」の、子供らしいアッケラカンと言い、
裁判後、学校を出て、「またね^^」と別れていく、映画版『ドラえもん」のエピローグみたいなさりげなさと言い、なかなか良かったです。
(2015/04/12)