☆・・・私は、昼間、倉庫でのフォークリフト作業を仕事としている。
もう、超大ざっぱに言うと、並んでいる棚に蔵置されている荷物を、出荷依頼に応じてフォークリフトを動かして降ろしたり(1)、
また、入荷した荷物を格納したりしている(2)。
格納する棚は6段重ねで、1~4段目を「低荷(ひくに)」、5・6段目を「高荷(たかに)」と言う(3)。
写真はイメージ。これの6段重ねを想像してほしい^^
フォークリフトの種類は2種類で、全ての段の棚に届く通称「ハイマス(ト)」と、1~4段目までしか届かない「中マス(ト)」がある(4)。
「ハイマス」は5台、「中マス」は3台ある(5)。
写真はイメージ。現場ではリーチフォークと言うものが使われる。
仕事は、作業者それぞれが持たされるハンディターミナル(携帯みたいの)に、事務所から指示が与えられる。それで、フォーク作業者は、荷物をチェックして、出荷or格納を行う(6)。
私のいる現場は、だいたい6人編成、5人までが「ハイマス」に乗り、1人が「中マス」に乗る(7)。
事務所からの作業指示は、ハンディターミナルへの自動通信でなされ、先ずは、「高荷」の出荷から行われる(8)。
ポイントなのだが、だいたい、受信した順に最初の4人までが「高荷」の割り振りになり、残りは「低荷」が割り振られる(9)。
日に何度か(5回転ほど)、二時間~3時間おきに、大規模な出荷があり、それぞれナンバリングされ「バッチ」と呼ばれる。例えば、「23バッチ」「24バッチ」などと呼ばれる。大体、「100バッチ」前に、また「1バッチ」からとナンバリングがリセットされる(10)。
作業人数が少ないときは、先ず、作業メンバーで「高荷」をやっつけてから、「低荷」の出荷に取り掛かる(11)。
「高荷」を下ろせる「ハイマス」は、使用頻度・重要度が高くもあり、電気のバッテリーが切れてしまうことを避けるため、「高荷」から「低荷」に作業が移った時、乗り換える作業者もいる。だが、基本、それは、「高荷」がないことが前提とされる(12)。
出荷してばかりでは、いつしか蔵置された荷物がなくなってしまう。だから、入荷した荷物を格納する作業も重要で、だけども、出荷がどうしても優先されてしまう。格納は、出荷の落ち着いた時間帯に、数人の作業者を割いて行われる(13)。
格納もまた、「高荷」の収納を優先に行われる(14)。
「高荷」は、近い棚に密集されているために、複数の作業者で行うと、フォークリフト同士が近づいてしまうので危ない。ゆえに、主に、一人のフォークリフト作業者によって行われる(15)。
・・・、・・・まあ、舞台説明はこんなもんかな。
後から、必要とあらば、後から付け足しましょう・・・。
◇ ◇
お笑いの「ウーマンラッシュアワー」の持ちネタに「バイトリーダー!」がある。
これは、なんの名誉もなく、なんの経済的な裏打ちもなく、また、全くの才能もないバイト先の古株が、
ただ、そのバイト先に「長くいる」、それだけで自分を「リーダー」と思い込み、
普通にまじめに、その「リーダー」当人よりも作業をしている作業者が、その「リーダー」に、横から指示されるような状況をギャグにしている。
(例)
・・・「ここは、時給はアルバイトだが、モチベーションは正社員の俺が行くしかないな! バイトリーダーです!」
・・・「ここは、他のバイトが時給700円なのに対して720円もらってる、俺が行くしかないな! バイトリーダーです!」
・・・「今からテレビの取材が入ってるんだ。テレビ局から俺にインタビューが入ってるんだ。NHKの深夜にやってるドキュメンタリー番組でね、タイトルはね確か「就職できない若者の実態」という番組だよ。まぁ情熱大陸みたいなもんだろ。バイトリーダーです!」
・・・「殺人よりも、放火よりも強盗よりも、最もやってはいけないこと。それは、交通費をもらいながら、自転車で通うこと。バイトリーダーです!」
・・・「今から自分の人生の生きてきた証を歴史に刻んでくるからね。(タイムカードのこと)」
まあ、こんな感じです^^
でも、私は、このお笑いの「バイトリーダー」は、まだ、救えるなと思うのです。
なんか、責任感は持って、辛い仕事はいとわず、まじめに頑張っているのはわかるからだ。
・・・上には上はいる。
いや、下には下がいる^^;
「バイトリーダー」を気取ること、それこそが間違いなのに、それに輪をかけて、どうにかこうにか自分を「楽なほうに、楽なほう」にさぼろうとするやつだ。
こういう奴の始末に悪いのが、周囲の誰もそれに気づかないと思っていて、自分はちゃんとやっていると思ってる点だ。
◇ ◇
私の首は短いようだ。
昔から、新宿などに出かけると、必ず頭痛になった。
答えは簡単、高層ビルを見上げるからだ。
だから、子供のころより、頭痛薬は常備している。
バファリン、ケロリン、イブ、ケンタン、ロキソニン・・・、何かしら持っている。
バッサニンと言うジェネリックは安くていいぞ!
今の仕事、上方を仰ぎ見る「高荷」出荷&格納の仕事でも、すぐに頭痛になる。
だが、私は、それはしょうがないと考えている。
それは、個人的な事情でもあるし、
そういったリスクで、お金を貰っている側面が労働にはある。
何人もいるメンバーが、ローテーションで、その身体への負担が厳しい「高荷」作業を行えば、それほどの苦はない。
私は基本、普通の人がやれる仕事に対しては、絶対に拒むことはない。
むかし、携帯基盤の現場の請負の責任者をやっていた時、若い奴らに、とある、苦もない作業を頼んだところ、それを「面倒だから」と拒まれたとき、辞めてもらったことが何度もあった。
派遣会社なんで、人材は無尽蔵だった。
別に、私は、好き嫌いで、一人の人間に過重な負荷をかけるようなことはしなかったし。
さて、話を戻すが、現在 働いている物流会社の倉庫、その「高荷」作業だが、
昔は、現場でも、替わりばんこにやっていたし、事務所からの指示も比較的 メンバーそれぞれに均等だったのだ。
しかし、今、私が出勤の時は、ほとんど私なのである。
私は、基本、辛い作業は率先してやるし、他のメンバーが、長時間「高荷」をやっていたら、「そろそろ代わるよ^^」と言う常識も持っている。
さすがに、毎出勤日、3時間も「高荷」をやらされていると、頭痛が激しくなる。
バファリンを3回ほど飲んでも治らない。
だが、頭痛薬を飲みすぎると、胃が荒れて痛くなる。
個人的な事情では済まない。
現場で、自称「バイトリーダー」を気取っているジジィやババァは、「仕事だからしょうがない」とか、綺麗ごとをほざくが、いや、あんたら、「高荷」を、全くやらないじゃん!
こいつら、自分の楽な、自分に都合のいい仕事しかしやがらねぇ!^^;
「リーダー」でも、社員や準社員の人は、状況に応じて、辛い仕事もちゃんとやる。
ああ、このジジィやババァは、だからこそ、バイトなんだな・・・、
(「後篇:具体的事例」に続く 2015/03/31)