☆・・・今回、ヤマトは、ガトランティスから逃れようと逃げ込んだ空洞惑星で、エネルギーを吸収する群体生物(注1)に襲われ、それから逃れるために惑星内部での強行ワープを行い、亜空間から脱出できなくなった。
その鈍色の空間には、不思議な惑星があり、古代ら数人は、その惑星を接近、探査し、地球のアマゾンに似た環境の地表に意外な物体を見つける。
それは、朽ち果てた大和であった・・・。
そして、その内部に突入すると、そこは、豪華な内装のホテル様式で、一行は出口をふさがれ、先行して囚われの身になっていた、かつてのドメル旗下の生き残りのフォムト・バーガー少佐たちと出会う。
古代一行にとっては異星の大和ホテル、ガミラス人にとっては異星でのガミラス風のホテル、それぞれが場所の認識をたがえる中、また、ドメルの仇のヤマトを討ちたいバーガー少佐だが、古代らを地球人ではなく、同じ肌色のザルツ人と認識、奇妙な行動生活が始まる・・・。
・・・「ヤマト2199」は、旧テレビシリーズと同じ26話でありながら、更に話を盛り込んでおり、非常に濃密でハイスピードの展開であった。
「2199」テレビ版の3話の時点で、既に、ワープと波動砲は披露されている。
ワープはともかく、私は、波動砲がここで使われたのが気になった。
波動砲は、木星軌道上に、小惑星を改造(テラフォーミング)された熱帯のジャングルのような浮遊大陸に対し発射される。
私は、宇宙に出たばかりのヤマトが、宇宙の静かさ・漆黒の闇・真空を描き切ることなく、すぐに、地球に似た環境の中で活躍させることが気になったのだ。
まあ、それほどに違和感はなかったので良いのだけど。
だが、その後も、「2199」では、宇宙にありながら、ヤマト乗員の生活を描き、そして、オリジナルの話では、魔女による精神攻撃で内宇宙にまどろむヤマトクルーを描く。
その「内宇宙」は、多分に、ヤマト乗組員の、地球の原風景での生活であった。
また、ガミラスの侵略戦争の捕虜たちの住む収容所惑星にも、「2199」オリジナルのエピソードで着陸を果たすのだが、そこでも、宇宙とは無縁の、重力下・大気圏内での、大地に足を着く経験を、ヤマトクルーたちにさせている。
旧ヤマトでも、他の天体への着陸はあったが、安心してくつろげたのは、イスカンダルだけでしかなかった。
これは、何を意味するかと言うと、「ヤマト2199」の作り手の、作品に込めたい傾向なんだと思う。
いや、その「内宇宙」と「生活感」の同一性・同一性指向は、『エヴァンゲリオン』に始まるので、「昨今の作り手」の性質なんだろう。
だが、この『星巡る箱舟』を見たら、うん、この、「宇宙の果てでたどり着いた疑似生活空間」としてのは、
『2001年 宇宙の旅』の最終局面での、「宇宙の果てでたどり着いた疑似生活空間」としてのの、一つの結論なのだとも思った。
流れとしては『エヴァ』なんだけど、結論として『2001年・・・』に至ったと言いましょうか?
それは、『インターステラー』のクライマックスが、あのトウモロコシ畑の農家の一室に帰結するのと同根である・・・。
・・・で、後編のこと、全く考えていないのだけど、前編をここで終える・・・^^;
(2014/12/10)