☆最近、のんびりした作品を見るパワーがなかったのだけど、時間があって偶然見たこの作品、なかなか面白かった。
とある岬の喫茶店に集う人々のほのぼの人間模様の話だが、思ったよりも、その人々のサンプル数が多くて、楽しんだ。
私は、この舞台の岬がどこなのか、見ながらずっと探っていて、北海道だと思っていたのだが、中盤から千葉だと分かって、「なんだよ、近いな!」と思った。
物語のもつ幻想のイメージには、「遠距離の話」という項目も大きな比重を占めると思っているので意外だった。
基本は、吉永小百合ワンダーランドで、彼女をどうやって若く撮るかが、一つのテーマでもあり、やはり、上品なので魅力的でもある。
しかし、今回の阿部寛と言い(「テルマエ」的な全裸も披露^^;)、「母べぇ」の時の浅野忠信と言い、もはやおばあちゃんの吉永小百合に、よくもまぁ、惚れるわなぁ^^;
終盤に、喫茶店が焼け落ち、吉永演じるエッちゃんが、自分の心の内を長台詞で吐露するのだが、そこが、ちょいと取ってつけたような苦悩展開で、宮崎アニメの「千と千尋」や「ハウル」の強引な感動展開を彷彿とさせた。
しかし、ここでの、吉永の、微妙に狂気をはらんだギリギリの演技は特筆だ^^;
この作品が、海外のクリスチャンの賞を取ったのは、ときおり、教会音楽的なBGMが流れていたのと、我々日本人にはベタ過ぎる展開に、あちらの方が、珈琲の「フィルター」的なものを通した見方で、「深み」を感じてくれたからかも知れないな。
(2014/10/13)