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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[腐女子同僚(ドリーム小説『BLEACH』)]

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☆職場に、エリコさんと言う、みんなに人気のある若い子がいる。

 みんな、「今風の娘だ」とか、「お洒落だ」とか、彼女を評しているが、

 私だけは、彼女が、なかなかの高レベル「腐女子」であることを知っている。

 「腐女子」とは、異論はあれど、便宜的に説明すれば、「女のオタク」みたいなものだ。

 そして、エリコさん自身は、「自分は腐女子ではない」と言っている。

 「なんで?」と問うと、「BL(ボーイズラブ=ヤオイ)には興味がない」からだそうだ(それも正しい定義らしい)。

 ・・・彼女はいたって、いつもお洒落な格好をしている。

 今朝もフリフリの上下お揃いの明るい色のパンツルックでなかなか可愛かった。

 メイクも、きっちりとしている。

 「トランスフォーマー3」を見ていた時、新ヒロインを見て、誰かを思い出すなと思ったら、エリコさんでした。

 流行のメイクや、可愛い表情などを考えているのでしょうか?

   

 職場の若い男たちや、奥さんたちは、彼女が「腐女子」であることを知らない・・・。

 俺だけが、彼女の好きなマンガアニメ『ブリーチ』で、彼女のお目当てのキャラクター・日番谷冬獅郎が、他の女性キャラクターと絡むと号泣することを知っている・・・。

 さて、では、私が彼女に、「ドリーム小説とか書いたりしないの」と問うと、

 彼女は「私には文才がない」と答えた。

 ドリーム小説とは、オタクの娘さんたちが、自分の好きなキャラクターとの色恋の妄想を綴ったものである・・・。

「ほんじゃあ、俺が書いてあげるよ^^」

 と、昨夜、2時間かけて書いたのが以下である。

 私は何でそんなにも優しいのか、・・・優しい訳ではない^^;

 私は、あらゆる可能性に賭ける「夢追い人」なのである。

 人は、私をこう呼ぶ・・・、「ヴァージンキラー」と・・・。(もちろん、嘘^^; 純粋に、同じ「ジャンプ」ファンとして喜ばせたいのだ^^v)

 とりあえず、下敷きにしている作品『BLEACH』については、以下をクリックしてみて欲しい。

     《Wikipedia:BLEACH》(クリック!)

BLEACH―ブリーチ― 1-48巻 セット (ジャンプコミックス)クリエーター情報なし集英社

 昨夜、早急に2時間で書いたものなので、誤字脱字・文法間違い・説明不足はご容赦を!

 なお、エリコさんについては、名前も出身地も家族も変えてあります^^

     ◇     ◇

   タイトル 『BLEACH:type silver <spirited away(エリコの神隠し)>』


 以前・・・、そう四年前の夏だ。

 エリコは行方不明となり、世間を騒がせたことがあった。

 彼女は、上京する前、実家である沖縄の離島・石垣島に住んでいて、彼女が行方をくらました三日間は、島中が大騒ぎになった。

 地元や沖縄本島の警察はもちろんのこと、自衛隊、沖縄駐留米軍なども偵察機を飛ばしたりして、エリコの捜索に協力した。

 大きな事件などはめったに起こらない島だったので、三日後にエリコが見つかり、その記憶がないのは疑問に思われつつも、健康には全く異常がなく、なんら後遺障害の兆候も見られなかったので、家族や捜索関係者は安堵した。

 エリコは、浅瀬に囲まれている石垣島周辺の、干潮時にのみ現れる「地図にない島」のひとつに横たわっていたのを、米軍哨戒機が発見した。

 白砂が広がり、周囲にエメラルドグリーンの海がきらめく中心に、黄色いワンピースを着たエリコが横たわっていた。

 南国の花々がデザインされた服は濡れておらず、四肢は露わであったが、全く汚れていなかった。

 それは、何ものか、巨大な鳥に運ばれてでもきたかのようであった。

 田舎の「神隠し」事件・・・、その当時は、センセーショナルなミステリーとして島中で語られたものだったが、いつしか、・・・エリコが高校を卒業する頃には、人々の記憶から薄らいでいった。

 ただ、一つだけ、科学的なミステリーが残っていた。

 倒れていたエリコは、ハンカチに包んだ水晶球ぐらいの大きさの氷塊を抱えるように持っていたのだ。

 うずくまって横たわるエリコは、あたかも大事なものを守るかのように体の中心(腹部)に、その氷塊を抱きかかえていた。

 この氷塊が、暑い石垣島の夏の炎天下から、倒れていた彼女を守っていたわけだが、

 不思議なのは、その氷塊が全く溶けないことだった。

 幸い、それを手にしたのが、島の駐在さんだったので、大きな科学的な問題とされることはなく、当然、科学分析をされることなく、エリコの持ち物として返却された。

   ◇

 ・・・その氷塊は、上京するエリコの手荷物にも入れられ、現在、弟と住んでいるアパートの冷凍庫にちゃんと保管されている。

「ホント、不思議・・・」

 エリコは思う。「四ヶ月前の震災の後、東京でも電気の供給がまちまちで、うちのボロ冷凍庫は、氷もアイスも溶けちゃったのに、あの<水晶氷>だけは全く溶けなかった・・・」

「お姉ちゃん、どこかの研究所に、その<氷玉>を預けてみたら? お金になるかも知れないよ^^」

 弟が言ってくる。

「うるさーい! この<水晶氷>は私のお守りで、大事なものなんだよー! プンプン」

 不思議なことはそれだけではない。

 エリコには、最近、何か満たされぬ思いがあり、それは「行方不明」のときの失われた記憶に起因するような気がしており、

 時折、心の欠落を埋めたい衝動に駆られ、この<水晶氷>を冷凍庫から取り出し、曇った表面をタオルで拭い、その透明感のある冷たい球体を、あたかも、水晶球を覗く占い師のように見つめたりしていた。

 そこには、エリコの面長の顔と、円らな瞳が映っているが、時に、奥のほうで何かが光るようにも感じる。

 何かが光るとき、エリコは、自分が一人ではないと強く感じ、嬉しくなるのだった。

   ◇

 ・・・大震災の日だ。

 エリコは、この時も、<水晶氷>を眺めていた。

 すると、不意に、<水晶氷>がコロコロと机の上を転がり、下に落ちた。

「あらあら^^」

 エリコは、椅子から退いて<水晶氷>を追いかけた。

 コロコロコロコロ、<水晶氷>はトイレに転がり入った。

「ありゃ、汚いでしょーが^^;」

 エリコは<水晶氷>を追ってトイレに入った。

 その時、大地震が起こった。

 今までいたダイニングキッチンは、お皿が割れて散乱し、タンスは倒れ、先ほどまで座っていた椅子をペチャンコにした。

 揺れがおさまって居間に戻り、エリコは驚いていた。

 <水晶氷>を追いかけていなかったら、私、死んじゃってたかも・・・。

 トイレのような、柱で小さく組まれた個室は、地震のときに最も安全な場所なのだ。

 <水晶氷>は、私を守ってくれたみたい・・・。

 私は誰かに守られている・・・、「守護者」・・・?

 その時、失われた記憶の断片が、サウンドとなって、一瞬、心の中に、こぼれた・・・。

     「ヒツガ、ヤ・・・」

 何!? なになに!? <ヒツガヤ>って何? 人の名前・・・? 『ブリーチ』のヒツガヤ隊長だったりしてッ!?

 エリコはパニくった。

 だが、動揺する暇なく、<水晶氷>は今度、床に落ちた携帯電話に転がった。

「えっ、えっ? 電話しろってこと?」

 頷くように<水晶氷>が光った。

 エリコは、すぐに弟の安否を確認し、石垣島で心配しているだろう両親に「私たちは大丈夫よ」と連絡した。

 後から職場の同僚の話を聞くに、震災直後の携帯回線はパンクして、連絡が全く不可能だったと言う。

 しかし、奇跡的に、エリコの携帯は、大事な者との連絡がついた。

 後から考えるに、これも、<水晶氷>の秘密の力だったような気がした。

   ◇

 ・・・そして、更に、後に判明するのだが、この<水晶氷>は、死神の世界「尸魂界(ソウル・ソサエティ)」の霊具で、

 ヒツガヤが、独自の最高位<氷>系能力で、独自の機能を付加したものだった。

 つまり、エリコの携帯通話は、<水晶氷>を媒介し、霊界回線へ転送…、弟や両親との連絡を可能にしていたのだったが、この時点では、彼女は、その事実を知る由もない・・・。

 不思議な出来事が続いたが、繰り返される余震の恐怖に忙殺され、

 そのことを思い出し、ゆっくりと考えられるようになったのは、震災から四ヵ月後の、つい最近のことだった。

   ◇

 「ヒツガヤ」と聞き、すぐに思い出されるのは、マンガ『ブリーチ』の登場人物であり、エリコは、そのアニメも含めて、ファンだった。

 『ブリーチ』は、簡単に言うと、人界に跋扈する悪霊(虚/ホロウ)を退治する死神たちのバトルアクション・ファンタジーである。

 連載している「週刊少年ジャンプ」の定番のノリだが、洗練された絵柄、魅力的なキャラクターの登場で人気を博している。

 新撰組を模したかのような、死神集団・護廷十三隊が登場しており、エリコが大ファンの日番谷冬獅郎は十番隊隊長だ。

     

 震災の日、信じられない<水晶氷>の救いがあり、その中で、エリコは、心の中で「ヒツガヤ」と言う名前を確かに聞いた。

 あれは、なんだったんだろう?

 エリコは、素直に自問自答する。

 自分が日番谷冬獅郎のファンだから、あそこで、その名前が心に満ちたとは思えない。

 そもそも、エリコには、『ブリーチ』の世界がフィクションだとは思えなかったのだ。

 テレビアニメの演出では、日番谷冬獅郎は幼馴染の雛森桃と、あたかも恋に落ちでもするかのような扱いをされている。

 見てると、エリコは、何故だか、涙をポロポロと流れ落としてしまうのだ。

     

 理由はわからない。

「うへ、お姉ちゃん、また泣いてるぅ〜」

 弟がからかってくる。

 でも、そんなことよりも、涙の理由がわからないのが悔しい。

 何でわからないのか?

 それが、四年前の「神隠し」、その三日間の記憶欠落と関係しているような気がしてならないのだ。

 物語の中で、自分の気に入っているキャラクターが、他のキャラクターと結ばれても、悲しいけどしょうがないと諦めもする。

 しかし、エリコは、日番谷冬獅郎のことだけは、心の底から悲しみが込み上げてきてしまうのだった。

 あたかも、自分のリアルで大好きな彼氏が、他の娘と結ばれてしまうのを見せつけられているような感じ・・・。

   ◇

 ・・・涙の理由を、ここでは簡単に記しておこう。

 エリコは、日番谷冬獅郎が雛森桃とは「純粋な幼馴染」でしかないことを知っている(知っていた)のだ。

 だから、アニメ版の「嘘」に悲しさがつのり、涙を流してしまうのだった。

 そう、エリコは、過去に、たった三日間ではあるが、日番谷冬獅郎と冒険を通し、深い関係(恋仲)になっていたのだ。

 しかし、その記憶は消し去られ、現世に戻された。

 記憶は消されても、感覚が日番谷冬獅郎との関わり合いを覚えている。

 だから、だったのだ。

   ◇

 ・・・震災時、尸魂界(ソウル・ソサエティ)の護廷十三隊・十番隊隊長室では、日番谷冬獅郎が、エリコの<水晶氷>に似た球体の「片割れ」を覗きつつ、安堵のため息をついていた。

「ふう・・・。無事だったか」

 <水晶氷>は、二つで一つの、一種の、特定の人物対象の映像転送手段であった。

 霊力を持った者が覗けば、その「片割れ」の向こうの様子が「視える」のだ。

 日番谷は、人間界の日本を大震災が襲ったと聞き、気にかけている一人の娘の動向を確認していたのだ。

 いつになく、心配そうだった表情の日番谷に、後ろから声をかける者があった。

「あら、ヒー君、安心したようね?」

 十番隊副隊長・松本乱菊だった。

     

「おい! 勝手に隊長室に入ってくるんじゃない!」

「あら、ノックしようとしたのよ。でも手を伸ばしたら、先に扉に胸があたって開いちゃったのよ^^」

 松本乱菊は巨乳だった。

「・・・、・・・。それに、俺のことは『日番谷隊長』と呼べと言っておるだろう! そ、それに、俺のことを『ヒー君」と呼べるのは・・・」

「はいはい、『ヒー君』と呼べるのはエリコちゃんだけでしょ? 分かっているわよ^^ でも、そのエリコちゃんの記憶を消して人界に戻しちゃったのは隊長でしょ?」

「・・・それが、ベストの選択だと思ったんだ、よ・・・」

「私、思い出すわ〜、あの時のエリコちゃん、『お願いだから、記憶を消さないで! 誰にも言わずに、大事に、大切に自分の心にしまっておきますから。お願いします! お願いします!』って、みんなに囲まれながら、泣いて懇願していたじゃない。それ程、日番谷隊長のことを忘れたくなかったんだよ・・・」

 日番谷は目を閉じ、黙った。

 しかし、銀髪は震えていた。

 動揺しているのだ。

 乱菊は続けた。

「エリコちゃん、記憶は消されたけど、心の中が空っぽの虚(ホロウ)状態で、いつも寂しがって、泣いちゃっているみたいね・・・。あの時は、白哉隊長でさえ、記憶を消す必要はないと言っていた・・・。今だって、隊長、エリコちゃんが心配で<水晶氷>を見ていたんでしょ、・・・隊長らしくないわよ。過去の決断が間違っていることなんて、幾らでもあるわよ」

 日番谷は目を開き、乱菊を振り向いた。

 翡翠眼の目の下に涙がたまっていた。

 だが、その涙を凍らして、頬を伝うのを止めているのが、いかにも日番谷冬獅郎!!

「じゃあ、俺はどうすればいい?」

「会いに行って、四年前の三日間の冒険についてゆっくり話せばいいんじゃない〜^^」

 乱菊は笑顔で答えた。

「わかった。すぐに行こう!」

 立ち上がる日番谷。

「早っ!!^^; それに、『行こう』って、私も?」

「ああ、一人じゃ、ちょいと、・・・心細いしな・・・」

「正直でよろしい^^ ところで、隊長、アニメ版の『ブリーチ』を見てますか?」

「ああ、自分も出てるからな、つい見てしまう。しかし、マンガの久保帯人はちゃんと描いてくれるが、アニメ版は事実を勝手に歪めているよな。何で、俺が雛森と意味深な関係にならなくちゃいけないんだよ・・・、ブツブツ」

「そのことも、ちゃんとエリコちゃんに説明しなくちゃね」

「俺は、うまく説明できないから、そこを副隊長に頼みたい・・・」

「例え、私の上長であろうとも、プライベートな頼み事は、ちゃんとお願いして欲しいものですね」

「わ、わかった。お、お願いします・・・」

 日番谷はペコリと頭を下げた。

 ・・・かくして、日番谷・乱菊は、人界に飛ぶのであった・・・。

   ◇

 その頃、エリコは、アルバイト現場で、最下層のホロウ<タランQ>の「デス・スメル(死の臭気)」攻撃を受けて、苦しんでいた。

 急げ! 日番谷!!!

                                                  (続く、かはわからない 2010/08/09)

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