☆私は、このブログの常連閲覧者ならば大体わかると思いますが、絶望を内包する歌や映画を非常に好んでいる。
楽しい作品も好きだが、同等に絶望的なものも好きだ。
6,7年ほど前、『私たちの教科書』というドラマを、私はよく見ていた。
教室の窓からの女子生徒の転落事故、もしくは自殺か、いじめの延長かが判明していく物語は、非常に絶望を内包していた。
そのBGMで掛かる曲の数々が、なんとも言えない「取り返しのつかない悲劇」感を、よくあらわしていて哀しくて美しくて良かったのだ。
まあ、ドラマが終わってから、その感動みたいな気持ちは忘れ去った。
それから数年後のある日、近所のちょいと高級なファミレスに行って、食べていたら、なんか心に響くBGMが流れてきたのだ。
私は記憶をまさぐった、と、それが、『私たちの教科書』のBGMであることに思い至った。
「ああ、私はこの曲が好きなのだ!」と、すぐにアマゾンで『私たちの教科書』のサントラCDを注文した。
わたしたちの教科書 オリジナルサウンドトラック 岩代太郎,東京都交響楽団 ワーナーミュージック・ジャパン果たして、絶望的に美しい曲の数々に私は感動し、ちょくちょく聞き直してる。
だが、一年ほど前からだ。
この曲が更に、缶コーヒー「ジョージア」のラジオCMで使われるようになったのだ。
・・・いやはや、確かに名曲だが、なんかいきなりだなぁと思った。
すると、昨日、ラジオで、この曲が歌になって流れたのだ。
「だ、誰が歌ってんだよ」と、曲が終わった後の曲名・歌手の情報を待った。
エリック・カルメンという歌手の「オール・バイ・マイセルフ」だそうだ。
ベスト・オブ・エリック・カルメン~オール・バイ・マイセルフ クリエーター情報なし BMG JAPAN1975年の作品だそうだ。
私は頭が混乱した。
『私たちの教科書』のサントラオリジナルだと思ったら、40年近く前の洋楽のバラードだったのだ。
・・・と、思いきや、そのメロディは更に遡る。
エリック・カルメンは、この楽曲の序奏に、ロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフが作曲した2番目のピアノ協奏曲を基礎にしているとのこと。
ウヒャヒャ、この「絶望感」は、その起源を一気に100年以上も遡ったのだな^^
ラフマニノフ:自作自演~ピアノ協奏曲第2番&第3番 ラフマニノフ(セルゲイ) BMG JAPANそして、調べると、ラフマニノフが、この楽曲を作った背景の生活には、やはり、ちゃんと「絶望」があったのである・・・。
そして、その絶望感の中から、この曲を大ヒットさせたのである。
(2013/09/12)